菜園における窒素の現状
作りにくい、と言われるような野菜は窒素に敏感な野菜が多い傾向にあります。
作りにくい野菜ほど窒素量を減らすことで安定して収穫出来る場面がみられます。
トンネル栽培、マルチ栽培は、露地栽培よりも元肥を必要としません
トンネルやマルチをしてあれば雨などによる肥料の流失が少いためです。
畝を被覆しているようなマルチ栽培では、肥料の流失が少なく、逆に雨の少ない時には、肥料濃度が上昇して生理障害の原因となりやすい。
多くの方が元肥で窒素を与えるというのは慣習であって固執する必要はありません
窒素が多めというのは、栽培からみると悪条件になりやすく、窒素をどこまで減らすのか考える必要があります。
慣例(日本は雨量が多く肥料の流失が多いため)でバランスよく肥料を与える事に固執している結果、窒素過多に陥りやすい原因になっています。
土壌の窒素を減らす成分
米ぬか(C/N比 18~34)
厳密に解明されてはいませんが以下の働きによって窒素吸収を減らす効果があるようです。
1)微生物の働きによる「窒素飢餓」
米ぬかを土に混入することで土壌微生物が繁殖します。
微生物は土壌中や大気中の窒素を細胞内に取り込みが急激に進んで、作物が窒素を吸収できなくなります。
但し作物の窒素吸収は一時的に断たれますが米ぬかのエネルギーを消費してしまえば多くの細胞が死滅します。
死滅した細胞から窒素やリンなどの栄養素はゆっくりと土壌や大気中に放出されていきます。
籾殻 (C/N比 70~80)
籾殻を構成している成分は、おおむね炭水化物が80%、ケイ酸が15〜20%
窒素よりも炭素が極端に多い肥料を土中に入れると、土中の微生物が炭素(有機物)を糧として繁殖する事で窒素を消費します。
※C/N比(炭素率)
比率を20を境に小さければ微生物による有機物分解が早く(無機化)、すみやかにチッソが放出される
数値が高いほど分解が遅く土の中の窒素が微生物に取り込まれる(有機化)
米ぬかの場合炭素率はそれほど高くないが粉状なので微生物が分解しやすいので繁殖が早くなる
生の籾殻は分解されにくいため、土中へは炭素や窒素が少しずつしか供給されない可能性もあります。
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