苗の植え方色々

トマトは大玉も中玉もミニもみんな斜め植え
一番目の蕾がついたぐらいに定植
下の二節が土に埋まるように,苗を寝かせて植える。

活着力が違う、もともとの根と,節から新しく出た根
と,とにかく根がたくさんだから,馬力が出るのは当然
普通に植えていた頃は樹が倒れやすくて困りものだったけど,それがなくなった。

病気にも断然強くなって,立枯れや尻腐れも出ない。
おかげでクスリは,ほとんど使わずにすむ

ポット苗を本圃に定植するとき
でもやはり深植えは禁物!
深くしっかり植えつけたほうが,
なんとなく活着が早いような錯覚を起こすが,極端な話,ポットの
根鉢を地表に飛び出させて植えるくらいのイメージで作業すべきだ
ろう。そうすると根鉢の底部から先に発根が始まりどんどん深く根
が張っていくが,逆に深く植えると根鉢からよりも,茎から出た不
定根が優先した活着になり,浅い根が横に張る生育パターンになる
ようである。こうなると,たとえば曇天が続いていきなり晴れた時
などに萎れが出やすい。

キャベツ・ハクサイ・ブロッコリー・カリフラワー
断根でガラリッ ●暑さに負けない

「ハクサイを直播きしたら,少し育ってから鎌を土に刺して根を切るといい」
(根を再生させるため)

一昨年の夏。苗をポットから出して,少し土をほぐして,根を1㎝ぐらい
ハサミで切る。ただ,そのときもキャベツとブロッコリーで,根を切ってから植えるウネと根を
切らないで植えるウネを設けて

根を切ったほうは,植えて2,3日は弱々
しいんだけど,日が経つと,元気がぜんぜん違う。葉が厚くて色も鮮やか。明らかに活着もいい。
これは確かよ,それぞれのウネから株を引き抜いて比較してみたんだから。断根したほうは,根
を切ったその場所からまた新しい根が伸びていて,枝分かれするように広がっていた

シシトウ・ピーマン
病気に強くなる 浅植え+根洗い

株を秋まで弱らせない方法として最後に残った
のが,高さの低い不耕起ウネヘの定植と根洗いという方法で
した。ピーマンやシシトウは基本的に浅いところに根を張り,土壌水分量が一定で地温の変化も
少ない環境を好むからです。
やり方は簡単です。不耕起ウネに根鉢を半分露出した状態
に浅植えするだけです。一果目を収穫する頃に根をホースで
水洗いすれば,夏の高温期には茎の下部が二ン二クのように
肥大し,洗われた根は地下部よりも太く丈夫になります。
収穫時に根を引き抜くとわかりますが,根から病気が入っ
たとしても,地上部の太い根の部分で病気の進行は止まりま
す。

ナタネやキャベツなどはウネ肩の南斜面が好き

同じアブラナ科野菜
の中でもナバナ,ブロッコリー,キャベツなど節間を伸ばしながら空中で結球(あるいは発蕾)
する性格を持った野菜は,通気性と水はけのよいウネ肩部分への定植を好むようです。ふつうの
平ウネに定植するよりも揃いがよくいいものができます。
ウネ肩植えをした際,生長に従ってしっかり土寄せをすることで,上位節からの新根(二次根)
がよく出るので生育が旺盛になります。

ハクサイ,コマツナなどは平ウネが好き

ハクサイ,ミズナ,コマツナなど生長点が伸び上がらず地表でロゼ
ット状に生育・結球する野菜は,ともに根圏が浅く乾燥を嫌うので,土壌水分の変化の少ない平
ウネの上に定植したほうがよく育ちます。土寄せも控えめのほうがいいようです。
このように作物の定植という仕事は,単に根を土に埋めるという単純な作業効率だけを考えて
いればよいわけではないようです。作物にとって居心地がよく,作業者にとっても後々の仕事が
ラクになるように,作物の性格,圃場の土質,季節ごとに最適な作業方法などを選ぶよう心がけ
ていくことが大切

キュウリの斜め浅植え

「キュウリ苗は斜めに寝かせて,根鉢が土から3分の1くら
い出るように植えるんや。こうすると太い根が下向きにズーン
と張って,樹がダーツと伸びる」
斜め浅植えにしてから樹に体力がつき,春の晴天日にハウス内が急
激に温度上昇してもしおれにくくなった

ピーマン・メロン
「浅植え+根洗い」は
うちの基本です

。必ず、根鉢を地面から少し
出すように植える。
「だって深植えにすると不定根が出ますよね。不定根は浅根になりやすくてチッソばかり吸っ
ちゃう。それで初期に暴れちゃうと、後半とれなくなったり、病気が出やすくなったりするんで
す」
「浅植えした苗にホースでダーツと水をかけると土が洗われて根っこも出てきちゃう。でもそ
のままでいいんです。『根洗い』ですよ。根っことか、根が出始める軸(茎)のあたりは、少し
日に当てて青くしてやったほうが病気に強くなると思います」
原さんはピーマンだけでなく、春先一作つくるメロンでも「浅植え+根洗い」。メロンでは珍
しいかもしれないが、そのほうがツル割れ病やベト病などにやられにくい